マーケティングにおけるSTPとは、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の3つの頭文字をとったもので、経営学者であるフィリップ・コトラー氏が提唱しました。
コトラー氏はSTPに関して、「効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法」として紹介しています。
分かりやすく日本語に置き換えると、STPとは…
セグメンテーション=市場を細分化する
ターゲティング=狙うべき市場を決定する
ポジショニング=自社商品の立ち位置を明確にする
というステップになります。
前回の記事ではセグメンテーションについて解説しましたので、今回は「T」のターゲティングについて取り上げてみます。
ターゲティングとは?
ターゲティングとは、セグメンテーションによって細分化した市場の中で、参入すべき市場、狙うべき市場を決定することです。
ターゲティングを行う目的は、商品・サービスを提供する対象を絞り込むことにより、その特徴を明らかにすることで、自社が訴求すべきメッセージを明確化することです。
例えば、「マクドナルド」と「モスバーガー」の場合で考えてみましょう。
どちらも「ハンバーガー屋さん」という括りで表すことができますが、ターゲットが違うため、必然的に訴求メッセージも異なります。
マクドナルドを選ぶお客さんは「時間がないから早く食べたい」「ランチにお金をかけたくない、なるべく安く済ませたい」と考えている層の可能性が高く、モスバーガーを選ぶお客さんは「多少値段が高くても良いものを食べたい」と考えている層の可能性が高いです。
もしも「ハンバーガーを買ってくれるなら誰でも良い!」と考えていたら、商品コンセプトも訴求メッセージも定まりません。そのため、ターゲティングが重要となるのです。
それでは、どのような基準で参入市場を選べば良いのでしょうか?
1つの考え方として、成長性や市場規模などを考慮しながら、なるべく他の事業者が参入していない、もしくは先行者がいたとしても自社が勝てる要因を見出せる市場を探すことです。
このような市場を「ブルーオーシャン」と言います。
もちろん、市場規模との兼ね合いにはなりますが、なるべく自社が勝ち易い市場を検討することが重要です。